ケバブ写真館での最悪の撮影 完結編
間抜け面はいつになく忙しそうであったので、暇そうな婆さんに声をかけた。これ、完成した写真でなくデジカメそのままのが入っててんけど!しかもパソコン使えとるやないか!と。
するとそのババア、悪びれもせず、ああ、さっき直ってん。とぬかした。わたしの殺意に追い打ちをかけるように、うちは完成した写真デエタしか渡せへんから、それは返して、とまで言いやがった。
くたばれ、と心の底から思った。
その瞬間、婆さんも無学な写真撮り男もどかーんと爆発して、逝った。嬉しかった。
(完)
以上がわたしの、ケバブ写真館での体験である。最後二行が創作であるか如何かは、読者の想像にお任せしたい。兎に角、もう二度と、である。
このケバブ写真館のある街には、マレーネディートリヒの墓もある。憧れのドイツ人女性といえば、マレーネかニナハーゲンである。薔薇を一輪そなえ、そこに眠るマレーネを想った。
ケバブ悪夢の一か月まえのことで、あった。