内股日記

遠い北国での生活つれづれ

ケバブ写真館での最悪の撮影 1

わたしはトルコを旅行したことが無い。乗り継ぎでイスタンブール空港を何度か利用したぐらいである。今回かくのは、わたしの暮らす某国某都市に生きるトルコ人についての印象について、である。普段トルコ人とは、タバコ屋で一言二言かわすぐらいで、交流は殆ど無い。よって、特に良い印象も悪い印象ももって居なかった。だが非常に不快な事件は起きた。全てのトルコ人がこのような最低の人間性を持ちあわせていると言いたいわけではないので悪しからず。いささか感情的に書き殴ったことは認める。

 

まず、この撮影があったのは8月初旬であった。トルコ写真館から予定の二週間が過ぎても連絡が無いので、私はしびれを切らしてトルコ写真館に赴いたのである。

我々を撮った男は言った、あ、忘れてたわ、と。私は怒りを必死で抑えながら、では写真はいつ出来上がるのかと、その男に問うた。その間抜け面は、来週末には、と答えた。

そして私は、若干の不安な予感を覚えつつも、さの来週末に再びトルコ写真館に赴いたのである。男は妙な発音の異国のことばでだれかと電話で話し、向き直って私に言った、背景をやる人がまだらしーから、また来週末きて、と。私は苛立ちと怒りを感じ、その間抜け面を睨んで何も言えず立ち去った。

さて、撮影の日から一か月ちかくが経過した。この日は夫を伴って間抜け写真館を訪れた。

写真撮り男は我々を見て、得意げに言った、おまんらラッキーやで!さっき背景おわったって!プリントするから朝めしでもどっかでくうてきてー!
時計を確認すると、16時過ぎであった。無学な間抜けトルコ人は、夕方朝飯を喰らうのであろうか?

先進国から来た私は夕方16時に朝食は摂らない、16時は靴下を買う時間である。一駅いったところにあるしょぼめの長崎屋で靴下を買い求め、駅前で夫と合流し、再び無学な間抜け面写真館へ向かった。この時点で沸々と湧き上がってきていた怒りは頂点に達しようとしていた。プリントされた七葉の写真を確認した私の怒りはついに爆発した。誰が見ても失笑するような拙い、映画タイタニック風の加工が施されていたからである。15年前のプリクラを彷彿とさせるような、切って貼りつけました☆というような子どものお遊びみたいな仕事だ。

私は怒鳴った、お前ええ加減にせえよ、一か月またせといて結果がこれかいな!こんなもん絶対100€しか払えへんぞ!
間抜け面男は不服そうな腑抜け面をしながらも、しぶしぶ了承した。我々は支払いを済ませ、プリントされた写真とデエタの入ったCDを引ったくり、風呂屋写真館の前で中指を立てて立ち去った。

もう、かの忌わしいケバブ臭い写真館に二度と関わることは無いと思っていた。
だが、昨日である。我々がCDの中身を確認すると、そこに入っていたのは背景がスタジオの張りぼての、丸っきりオリジナルの写真デエタであった。私は怒りを通り越した疲れを感じ、昨晩は一睡もすることが出来なかった。

見かねた夫がトルコ写真館に電話をかける。写真屋曰く、今日はパーソナルコンピューターが全て壊れているので確認が出来ない、と。私は其れを嘘であると直感し、それは殆ど確信であった。身支度を軽く整え、ケバブ写真屋へ鼻息も荒く向かった。そこにはけふまで嫌という程みた通常の光景が広がっており、全てのパーソナルコンピューターは活き活きと従業員に使用されていた。

 

つづく

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 撮影に使ったブーケ